大きな補正額を当初予算に単純加算すると、組替えや執行時期が消えます。ミハルは年度と段階を一つずつ戻します。
先に答え:補正額はすべて新規支出とは限らない
当初予算は、一会計年度の基本となる歳入・歳出計画です。補正予算は、その成立後に生じた事情に応じて既定予算を追加・修正します。追加だけでなく、不要額の減額や財源の変更も入るため、見出しの補正額を「全部が新しい支出」と読んではいけません。
ミハルが当初予算と補正予算の切り抜きを足し算しようとすると、トジが「補正前」「増減」「補正後」の三列を引きます。見るべきなのは大きな一つの数字ではなく、どの項目がどう変わったかです。
補正前・増減・補正後の三列で読む
架空例で、当初100、追加12、不要額の減額2なら、差引増は10、補正後は110です。「補正12」とだけ報じられても、12をそのまま100に足せるとは限りません。歳入側でも税収見込み、公債、その他収入など財源の変更を確認します。
また、一般会計と特別会計を混ぜず、国の歳出と地方負担も分けます。同じ政策名の金額でも、どの会計に計上されたかで重複して見える場合があります。
「事業規模」は国費の歳出額とは限らない
経済対策の「事業規模」には、国費だけでなく融資枠、地方の支出、民間投資を促す想定額などが含まれることがあります。「財政支出」「一般会計歳出」「国費」も同じ範囲とは限りません。大きい数字を比べる前に、内訳表で包含関係を確認します。
複数年度にわたる事業もあります。予算に計上された総額、当年度に使える額、将来年度の負担は別です。補助金の採択上限と実際の交付額も区別します。
閣議決定・成立・執行・決算は別の段階
政府案の閣議決定は、国会で成立したことと同じではありません。予算成立後も、その日に全額が支出されるわけではなく、制度の準備、申請、審査、契約などを経て執行されます。年度後に実際の収入と支出を整理したものが決算です。
「○兆円を決定」と「○兆円を支出済み」を混ぜないこと。効果がGDPにいつ現れるかを読む場合も、「GDPの前期比年率」の期間と系列をそろえる必要があります。
同じ政策名でも、数字の役割が違う
一つの政策に、対策全体の規模、予算計上額、給付一件当たりの上限、契約額、支出済額が並ぶことがあります。これらは足し算する関係とは限りません。雇用対策を読むなら、結果指標である「求人倍率と失業率」とも時間差を置いて比較します。
次の予算ニュースで見る五行
- 当初予算か補正予算か、対象年度はいつか
- 一般会計・特別会計・地方・民間のどこか
- 追加、減額、差引増、補正後のどの額か
- 国費か事業規模か
- 政府案、成立、執行、決算のどの段階か
財務省の資料では、年度と会計区分、補正前後の表をセットで確認します。数字の大きさより先に、列名と段階を残してください。
覚え方: 予算は決定額、執行は支出の進み、決算は結果。