ネットゼロの「ゼロ」は、排出の存在そのものを消した意味とは限りません。ミハルは差し引きの中身と対象範囲を一つ戻します。
先に答え:ネットゼロは総排出ゼロではない
net は差し引きです。排出を可能な限り減らし、避けにくい残余排出を森林や工学的除去で釣り合わせます。ある施設の排気が物理的にゼロになる意味ではありません。
ハコは一つの「ゼロ」を、総排出、絶対削減、残余排出、除去の四欄に分けます。差し引き結果だけでは、どれだけ排出を減らし、どれだけ除去に頼ったかが見えません。
数字や制度の境界
対象がCO2だけか、メタンなど温室効果ガス全体かで計算が違います。企業目標では自社燃料、購入電力、供給網のどこまで含むかも範囲を変えます。
架空例で排出100を80削減し、残り20を除去で均衡させる目標と、排出100のまま100の回避クレジットを買う主張は同じ設計ではありません。対象ガスと算定境界もそろえます。
見出しで起きる取り違え
将来の大量除去に頼る目標と、近い将来の絶対削減を伴う目標は同じ質ではありません。オフセット、回避排出、炭素除去も同じ項目ではありません。
目標年だけでなく、中間目標と現在までの実績を確認します。世界の温度目標との関係は「単年1.5℃と長期水準」で期間を分け、発電側は「設備容量と発電量」で単位をそろえます。
元資料で確認する順番
対象ガス、範囲、基準年、目標年、中間削減率、残余排出、除去の耐久性を確認します。達成宣言は排出量と除去量を別々に見ます。
次のネットゼロ発表で見る六行
- CO2か全温室効果ガスか
- 組織・国・製品のどの範囲か
- 基準年と目標年
- 絶対排出を何割減らすか
- 残余排出はいくらか
- 除去の方法・耐久性・検証は何か
覚え方: ネットの「ゼロ」は、引き算の答え。煙突が止まった印ではない。